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製作経緯
Pixiv やニコニコ静画などのイラスト投稿サイトの人気により、興味があるなら誰でも漫画を描いて発表することが出来るようになりました。
発表する場だけでなく制作環境を見ても、無料でも漫画が描けるツールやペン付きタブレットなどの普及もあり、Web 漫画などを描くための敷居も低くなってきています。
ただ漫画に不可欠なセリフに用いるフォントの中でも一番使われるアンチック体を無償や安価なフォントで探してみてもクセが強すぎたり、ひらがな・カタカナのみで漢字を別のゴシック体と混植する必要がありました。
そんな中で Unicode でカバーしている日本の漢字をすべてサポートした「源ノ角ゴシック」が登場し、そこにオリジナルのアンチック体仮名を組み合わせたオープンソースフォント「新コミック体」がフォント910 さんから配布されました。
それらオープンソースフォントをお借りして自分好みな「水や空気のように当然に在る」アンチゴチフォントを作ってみました。
変更点・特徴
- ひらがな・カタカナについて
平仮名は伝統的な字形を採用しながらもバランス良く、懐が広めな明るいイメージにまとめてあります。数度の改刻を経て、普通に使えるアンチック体になったと自負しております。
片仮名は源ノ明朝 Bold をお借りして源暎アンチック向けに調整しています。
- 従属欧文について
仮名書体であるアンチック体に組み合わせて使用する記号に明朝体を、アルファベットや数字には漢字と同じゴシック体を使うのが一般的です。
しかし個人的には「記号」と「アルファベットや数字」で別のフォントを使うのが好きではないため、従属欧文にはサンセリフ体でもセリフ体のように線の太さに差異がある「Linux Biolinum」をお借りしました。
そのままお借りしてもサイズや太さ、コントラストが大きく違うので漢字や仮名に合うように調整しています。
- ベースフォントについて
ver 2.0 までは源ノ角ゴシックをベースに OpenType 形式で公開していましたが、環境によっては正しく動作しないことがあったため、ver 3.0 より MM さんが公開されている「源真ゴシック」をベースに作り直し TrueType 形式で公開しています。
- 記号について
漫画で使いやすいように「!」や「?」の形や組み合わせた合字を私用領域に用意するなど漫画向けのグリフ追加を行っています。
他にも自由なソフトウェアライセンスで公開されているアンチック体フォント「GL-アンチック」から、BA-90 や怒りマークなどいくつかの記号をお借りしました。
- 全てのひらがな・カタカナに濁点付きグリフを用意(Ver 5.0 以降)
源暎アンチックの勝手な実装です。基本的に他フォントでは使えません
同人漫画を書くにあたり、叫び声など少なくない需要のある濁点付き仮名を用意しました。
使用方法は2つあり、一つは濁点を点けたい清音(例えば「あ」)に続けて結合用濁点(゙ U+3099)を入力する方法と、私的領域に割り当てられた文字コード(「あ゙」ならU+E082)を使用する方法です。他のフォントの互換性を考えると前者の方が良いのですが、アプリによっては正しく表示されないため後者を使う必要が出てきます。後者の場合、添付されている外字表.pdfからコピー&ペーストして頂くことでも使用可能です。
フォント組版例
漫画セリフ(引用元:鋼の錬金術師 1巻)
源暎アンチック v4 縦組み
源暎アンチック 詰 v4 横組み
書体情報
- 名称:源暎アンチック v4
- ファイル名:GenEiAntique_v4.ttc
- 公開年月日:2018年 3月 13日(Ver 4.1)
- 対応グリフ:源ノ角ゴシック JPに収録されている全ての漢字を含む約1万8千文字
- 制作ツール:FontForge 20161005 / TTX / TTFAutoHint
- お借りしたオープンソースフォント:源ノ角ゴシック、源真ゴシック、源ノ明朝、Linux Biolinum、GL-アンチック、Noto Emoji、Font Awesome
- ご注意
Ver.4 は従来のバージョンとの互換性はありません。プロポーショナルメトリクス適用時や独自組文字を利用している場合にフォントを切り替える際はご注意ください。